英Armは、VRのリアリティを向上させる最新のディスプレイ・プロセッサIP『Arm Mali-D77』を発表。
Mali-D77ディスプレイ・プロセッサは、ヘッドマウント・ディスプレイ(HMD)のVR性能を向上、3D酔いを解消し、3K120への最適化を可能にします。
これにより、デバイスによる拘束感のない没入感あふれるVR体験を実現します。
目次
■発表の概要
・完全一新された固定機能ハードウェアが、システム帯域幅を40%以上節約、VRワークロードの消費電力を12%削減
・HMDから標準的なプレミアムモバイル機器のディスプレイまでを対象に、より小型・軽量かつ快適で、拘束感のないVRデバイスの開発を実現
以下プレスリリースより引用。
■完全に一新されたVR機能により、バーチャル感を抑え、リアリティを向上
ArmがMali-D77に追加した新登場のVRアクセラレーション機能は、他の市販ディスプレイ・プロセッサとは一線を画するものです。例えばMali-D77は、特定の演算機能をGPUからDPUにオフロードすることで、ビジュアル品質を向上するとともに3D酔いを解消し、より多くのGPUサイクルと、関連システムの帯域幅を解放します。上記以外にも、Mali-D77には、以下の機能が搭載されています。
・色収差補正(CAC):逆方向にカラーチャンネルを事前に分離し、VRヘッドセットのレンズ色収差によるにじみを無効化します。
・非同期タイムワープ(ATW):3D空間での最新の頭部の姿勢とヘッドセットの位置に基づき、仮想シーンを理解し再投影します。
■帯域幅と消費電力を節約し、一般消費者が使いやすいデバイスを実現
一般消費者にとって使いやすく、より小型、軽量、快適で、拘束感のないVRデバイスを実現するのが、Mali-D77によるシステムの帯域幅と消費電力の低減です。
・VRワークロードでの妥協のない12%の低消費電力化により、より高品質のビジュアルを実現しつつ、GPUサイクルを解放できます。
■汎用性の高いディスプレイ技術
VRヘッドマウント・ディスプレイ(HMD)以外にも、汎用性に優れたMali-D77は、他のデバイスやディスプレイ、ユースケースにメリットをもたらします。例えば、既存の開発者エコシステムとともに共通SoCプラットフォームでMali-D77を統合することで、VR HMDから4KのHDR画面を表示可能な、大・小サイズのLCD/OLEDスクリーンまでのような様々なデバイスに切り替えることが可能です。これによりVRデバイスは、一般消費者にとって、より低コストで利用しやすい製品となります。
■画期的なVRディスプレイ技術
デバイスによる拘束感のない、没入感あふれる真のVR体験への道のりにおいて、ディスプレイは最終の工程といえます。そのため、Mali-D77の設計時には、ハードウェアとソフトウェア両方の開発者がこの工程を加速することで一般消費者に可能性を示し、拘束感のないVRを、「あればいいもの」から「絶対に欲しいもの」へと変えることを目標としました。