VR用揺動装置や歩行装置を製造販売する広島市立大学発ベンチャーの株式会社Movere(本社:広島市安佐南区)は、VR用歩行装置「Crus-TypeC-DK1(開発者向け評価版)」を99,800円(税・送料込)で販売開始。また、本装置および本装置を用いた歩行コンテンツを東京ゲームショウ(TGS)2021にて初出展することを発表しました。
本装置は、ユーザの進行方向に大腿部を支持し、歩行動作に応じて映像を変化させることによってVR空間内の歩行移動を錯覚させる、これまでにない新しいタイプのVR歩行装置となります。(歩行感覚呈示装置および呈示方法,日本国特許第6795190号,国際特許出願中)。
目次
■新発想のアイデア
本手法は机の前にクッションを当てて目を瞑り,歩く風景を思い浮かべながら前に進もうと足踏みすると歩行感覚に近い感覚が得られたという発明者自身の体験がヒントになっています。
本装置に興味がある方はまずは手持ちのクッションで同じことを試してみて下さい。少しでも歩く感覚に近い感覚が得られた方はVRにおいても同じ効果を得ることが期待出来ます。
■シンプルな動作原理
進行方向に大腿部が支持された状況においては足が物理的に前に出ないため,荷重センサを用いて体の預け具合や足の動きから歩行動作や歩行速度を推定し,これに合わせて映像を変化させることで歩行感覚を錯覚させます。
本手法は体にセンサやシューズ,ハーネス等を装着する必要がないため,わずらわしさもなく手軽に使用することが出来ます(フルボディトラッキングは近日対応予定)。本装置は言わば体重計を横向きにしたようなものですので装置構造は至ってシンプル,消費電力も少なく(0.2W程度),従来法のように床が動いたり足を滑らせる違和感はありません。
■デスクに固定可能な本体
Crus-TypeCは本体を机に取り付けるだけであれば設置場所は取りません(取り付け可能な最大板厚42mm。本体重量4.2kg,本体は専用スタンド(別売)に取り付けることも出来ます)。
■高さ調整可能な軽量な専用スタンド
専用スタンドの土台サイズはΦ600mm(重量9.5kg)/750mm(重量13.5kg)の2種類,本体取付後の総重量はΦ600mmで13.7kg,Φ750mmで17.7kgと簡単に持ち運びや設置が可能です。スタンドの高さは2cm毎に5段階(10cm)高さを調整可能なSサイズ(地面から大腿部までの高さ488mm~588mm程度)と10段階(20cm)高さを調整可能なLサイズ(大腿部高さ588mm~788mm程度)の2種類を用意しています。本体・スタンドカバーは水透明,若草(半透明),スカイブルー,レッドの4色から選べます。
■専用ソフトウェアおよびキーエミュレーション
Crus-TypeCでは,専用の常駐ソフトウェア(for Windows10)によって,ユーザの体の預け具合,左右それぞれの足の上がり具合,進行方向等をリアルタイムに推定,モニタリングすることができ,前方向,斜め前方向,横方向に体を預けながらの歩行動作推定に合わせたキーエミュレーションが可能です。それぞれの歩行動作をキーボード操作やマウス操作(VRコントローラへは順次対応予定)に置き換える(キーエミュレーションする)ことでVR空間内への移動に変えることが出来ます。これらのキーは常駐ソフトウェアで自由にカスタマイズ出来ますので,前進・横移動が可能なWADモードや,前進・旋回が可能なモード等に切り替えることが可能です。これにより,マウス・キーボードで移動操作可能な既存ソフトウェアや,VRコントローラで移動操作可能な既存ソフトウェアにおいては,これらの操作を歩行動作からの入力に置き換えることが可能です。
■ソフトウェア開発キット
Crus-TypeCの常駐ソフトウェア(for Windows10)においては,推定した歩行動作(体の預け具合,左右それぞれの足の上がり具合,進行方向等)を指定アドレス・指定ポートに対してUDPで送信することが出来ます。受信側のプログラムで受信した歩行動作からアバターの動作および移動操作に反映させることで,歩行動作からVR空間内での移動に変えることが出来ます。UnrealEngine4やUnity用のプラグインやサンプルプログラム等をまとめたソフトウェア開発キットは本ウェブサイトより順次ダウンロード可能にしていく予定です。
■販売価格(税・送料込)
Crus-TypeC-DK1(開発者向け評価版)本体セット(税・送料込):99,800円
Crus-TypeC-DK1専用スタンドΦ600(税・送料込):39,800円
Crus-TypeC-DK1専用スタンドΦ750(税・送料込):49,800円
弊社ECサイト(https://movere.co.jp/ec/)よりご注文を受付いたします。
■東京ゲームショウへの出展について
今年の東京ゲームショウ(TGS)2021では,VR用歩行装置Crus-TypeCを初出展,会場内ではVRSNSのClusterVRによる会場内外のユーザとマルチ対戦可能な歩行コンテンツ(HMD無しの手軽版)およびCrus-TypeCの機能をフルに体験できる最新のVRデモ(HMD装着)を試遊可能です。また会場外からは会場内試遊と同じコンテンツにオンラインで参加可能です。詳しくは以下のTGS2021特設会場を確認ください。
TGS2021特設会場(http://www.ics.info.hiroshima-cu.ac.jp/wakita/index.php?e=74)
■TGS出展キャンペーン
会場外から本歩行装置にて上記コンテンツに参加されたい方で,参加の様子をご自身のチャンネルで配信いただける方の注文を優先致します(先着10名)。
弊社ECサイト(https://movere.co.jp/ec/)の注文時のお問い合わせ欄に
・ハンドル名,本名,グループ名など:日頃活動している際に使用しているお名前
・チャンネル名・アカウント名:配信予定のチャンネルやSNSのアカウント名
を記入ください。
■株式会社Movereについて
株式会社Movere(モヴェーレ)は,広島市立大学大学院情報科学研究科システム工学専攻知的制御システム研究室VRグループによって研究開発されたVR空間内を低コストかつ高臨場に移動するためのVR用歩行装置CrusおよびVR用揺動装置Lumbus等の各種VR機器を製造販売する広島市立大学発第1号ベンチャー企業です。
https://movere.co.jp/