V-Tuber ZERO

その瞬間誰もが恋に落ちた。『YuNi 1st VR LIVE~VeRy Merry X’mas~』で視えたVRライブの未来

2018年12月24日(月・祝)のクリスマスイヴ、自称・世界初のバーチャルシンガー『YuNi』の1st VRライブイベント「YuNi 1st VR LIVE~VeRy Merry X’mas~」がActEvolveのVRライブプラットフォーム『VARK』にて開催された。

今回のイベントは仮想空間上に作られたステージでYuNiがライブを行うというもの。
YuNi 初のライブイベントと、いうこともあり、チケットは販売開始から約7分で完売。
VRヘッドセットマウントディスプレイ(HMD)「Oculus Go」が必須にも関わらず追加販売分も翌日には完売と、YuNiの人気とVRライブへの関心の高さが伺えた。

今回幸運にも、YuNiの記念すべき初ライブに立ち会うことが出来たので、その様子をレポートしていこうと思う。

■まるで自分の為だけに歌ってくれているかのような感覚

まず初めに、筆者はこれまでVTuberのリアルライブには何度か参加しているが、VRでのライブイベントは今回が初となる。
とは言っても、PSVRやVR関連のイベントで何度か仮想世界というものは体験済みだ。
先日行われたYuNiも参加する年越し歌合戦イベント「Count0」の事前体験会では、にじさんじの「樋口楓」とのバーチャルトークショー「樋口楓の放課後」も体験した。
なので、ある程度”こんな感じなんだろうな”という予想をしていた。

しかし、それはいい意味で裏切られることとなった。

参加者全員が特等席

先程も挙げた面白法人カヤックの『VR SPARC』内で実施された「バーチャルトークライブ」や、クラスター株式会社の『cluster』で行われた「輝夜月LIVE」では、観客が自由に移動して好きな位置でステージを観ることができることに対し、『VARK』では観る位置が正面・正面後ろ・右側・左側の4箇所に固定されている。
これだけ聞くと若干の物足りなさを感じるかもしれないが、そんなことは決してない。
『VARK』のVRライブでは、自分以外の観客の位置が固定されている。つまり、誰にも邪魔されることのない特等席で、ライブに参加できるのだ。
正面、右側、左側どの位置から見ても、邪魔されることのないライブ体験。これは、ステージにいる出演者が、ほかならぬ”自分たった一人”に向けてスペシャルライブを行ってくれているようなもの。
これがどれほどに凄いことなのか考えてみてほしい。

実際に出演者側からどう観えているのかはわからないが、少なくとも筆者は周りから心配される程にポジティブな思考の持ち主なのでそう感じた。
この時点でプレミア感が凄い。

本イベントには「Oculus Go」を持っていないと参加することはできないが、推しのVTuberが自分の為だけにライブを開いてくれるのであれば、チケット代含め3万円弱(32Gの場合)、学生には少々辛いかもしれないが、そこまで高くもないように感じる。
しかも、次回からはチケット代のみで参加できるのだからすぐに元は取れるといえるのかもしれない。

それほどに価値のあるライブであったと、筆者は声を大にして言いたい。

■感動とガチ恋の連続

さて、前置きが長くなってしまったが、イベントの様子についてレポートしていこう。

開場は19時半、開演は20時からだが、今回は19時からイベントグッズのVR物販がVARK内にて行われていた。
事前にVARK公式ショップ(https://vark.booth.pm/)にて販売されていたものとは別に、会場限定のグッズ「YuNi×VARKくんコラボステッカー」「YuNi トートバッグ」「YuNi パーカー」「YuNi Tシャツ」の4種類が販売。※「パーカー」「Tシャツ」は公式ショップで販売されたもののクリスマス限定カラー。
ステッカーは開始から僅か40秒で売り切れたというのだから驚きだ。

VR物販

そしていよいよ開演時刻。
目の前のステージにてカウントダウンが開始し、”0”と同時に10月に発表された新衣装を纏ったYuNiの姿が現れた。

1曲目、YuNiの初オリジナル楽曲である「透明声彩」が流れ始める。
筆者は「Oculus Go」の警告を無視し、最大音量にしてイヤホンをしていたので臨場感がハンパなかった。
この瞬間、約2週間の音信不通を経てオリジナル曲をひっさげ復活したYuNiの姿を思い出し、早くも涙腺崩壊
HMDの内部が涙で溢れた。
気付くとステージの形も変化しており、YuNiの周りを色鮮やかなエフェクトやギフトが飛び交っていて、まるでミュージックビデオの中に入り込んでしまったかのような感覚に陥った。
自分とYuNiだけの世界。なんと幸せな空間なのだろう。

ここで『VARK』の簡単な機能説明をしておくと、『VARK』では観客が出演者に向けて投げることのできるVARKCOINを使って購入するアクション機能「お花」「大型クラッカー」「花火」「くす玉」と、無料で使えるアクション機能「拍手」「サイリウム 」などが用意されており、これらを使用して観客がライブを盛り上げることが可能。
また、「フキダシ」と呼ばれる定型文をコメントのように送ることもできる。
拍手とサイリウムはおそらく自分と出演者にしか見えていないが、その他に関しては自分以外でも確認することができた。

VARKの楽しみ方

1曲目が終わると、YuNiは「おはもにー!」と元気よく観客席に向かって挨拶。
念願の初ライブに緊張した様子もなく、普段通りにリラックスしているように見えた。
今回のライブには相棒である「乙女丸」がいないということをなぜか嬉しそうに話すYuNi。
また、「Oculus Go」の充電が『VARK』では1時間程しかもたない為、MCでもたもたしていると最後の曲を待たずにみんながいなくなっちゃう、とおちゃらけて見せたりもした。はぁー可愛い!

続いて2曲目と3曲目を連続で披露。
2曲目は再生回数160万回(2018年12月現在)を超えるYuNiの定番曲「エイリアンエイリアン」。
おなじみの”ウエストがシンドイ”ダンスを目の前で披露するなど、溢れんばかりの可愛さを見せてくれた。
そして、曲も終わりを迎えるというところで”それ”は起こった。
ステージから突然YuNiが消えたかと思うと、瞬時にガチ恋距離に現れ、「あなたがしゅき」とウインクしながら手をとってくれた(ような動きをした)のだ。
一瞬なにが起こったのか理解できなかったが、HMDの中は人に見せられない表情をしていたに違いない。

混乱も収まらぬうちに3曲目「星間飛行」が始まった。
こちらも、もうすぐ40万再生に届くほどの人気曲。
自分に向かって「キラッ☆」をやってくれるのだから、どんどんYuNiのことが好きになってくる。
いや、もともと好きなのだが、とんでもないスピードであなたに急降下どころか好感度は急上昇だ。

そういえば先程のガチ恋距離のシーン、ライブ終了後のTwitterでは「まるでマクロスのようだ」という感想が多く見られた。
筆者は残念ながらマクロスをよく知らないので、この機会に視聴してみようと思う。

『キラッ☆』

ここで再びMCに。
みんなの「Oculus Go」の電池の減り具合を気にしつつも、マイペースなYuNiの語り口にこちらも自然と口角が上がってしまう。
続いての4曲目は”クリスマスっぽい”曲ということで、まさかの「きよしこの夜」。

突然ステージが真っ暗になり、YuNiの体が宙に浮いて消えたと思ったら、またもやガチ恋距離にYuNiが出現。
狭い室内にYuNiと2人っきりで、耳元で囁くように歌ってくれる。
ドキドキと感動でとうとう頭がおかしくなったのか、再び目から涙が溢れてOculus Go」の中はもうぐっちょぐちょ。

さらに画面が暗転し、今度は目の前にイルミネーションに彩られた巨大なクリスマスツリーが出現。
キラキラと光り輝くツリーの下で歌うYuNiの姿に、「この世にこれ以上美しい光景なんてないんじゃないか?」と、もはやリアルとバーチャルの区別すらついていない限界オタクはただただ口を開いたまま見惚れていた。

ステージへと戻ってきたYuNiが今度は「変身!」とポーズを決めると、動画「クリスマスソング」や「赤鼻のトナカイ」で披露したサンタ衣装へと早変わり。

サンタ衣装に変身!

動画で被っていたサンタ帽が大きすぎてお菓子の「アポロ」みたいだったと楽しそうに話しながら「次の曲で終わり。」と、ここで新曲「Winter Berry」を初披露。

この曲は”冬を明るくしたい女の子”をテーマに作られ、「透明声彩」に続きYUC’eさん(@yuce_e)が作詞作曲を担当している。
YuNiとしては珍しい”ダンス”も同時に披露し、思わず笑顔になってしまう明るくポップな曲にサイリウムを振る手が激しさを増した。

関連記事YuNiオリジナル楽曲第2弾『Winter Berry』が12月25日(火)0時より配信決定!

目の前で楽しそうに歌って踊るYuNiの姿に瞬きひとつ出来ず、いつしかコメントボタンや位置変更ボタンを押す余裕はない程に釘づけになっていた。

そう、気が付いた時にはもう完全にYuNiに恋してしまっていた

手を伸ばさずとも触れられそうな距離で、”自分の為だけに歌ってくれている”という至福の時間。
このまま時間が止まれば良いのに、と願わずにはいられなかった。

自分は今まさに「バーチャルの未来」をその身で体感しているのだ。

曲が終わると、YuNiは新曲について語るとともに、ライブ終了後の12月25日(火)の0時から配信されることを発表。
他の参加者の声は聞こえないハズなのだが、不思議と今日一番の歓声が聞こえた気がした。
初めて披露したダンスについては、「いつもとはスタジオが違うから」「本当は踊れるんだぞ!」という得意げな表情を見せていた。愛おしすぎる。

本来であればイベントはここで終わりなのだが、我々はまだ”の曲”を聴いていない。

■笑いあってさよなら

YuNiは去り際に「みんなわかってるよね?」「まだ帰っちゃダメだよ?」と言い残し、一時ステージから撤退。
それと同時にフキダシアクションに流れはじめた大量の『アンコール』のコメント。

しばらくして、ライブ衣装に着替えたYuNiが、みんなのアンコールに応えて再びステージに登場。
再生回数が400万回を超えるYuNiの代名詞ともいえる名曲「シャルル」を熱唱した。
赤・青・緑・白と色とりどりに変化するステージの上で、感情のこもったYuNiの声が響き渡る。
本日3度目となる号泣タイムはいります。

YuNiはこの曲をLIVE以外では歌わないと決めていたと後のMCで語っており、彼女にとって特別な歌であることがHMD越しにも関わらずその身に感じることができた。
曲の最後の最後、またもや視界から消えたYuNiが突然眼前に現れ、切ない表情で『笑いあってさよなら』と囁いた。あっ、もう無理、泣く。

こうして、YuNiの初となるVRライブは大きなトラブルもなく大盛況のうちに終了。
驚きの連続の約1時間は本当にあっという間で、終了後も暫くは夢心地のままYuNiのいなくなったステージを眺めていた。
他の参加者も同じ気持ちなのか、途切れる事のなく流れる「アンコール」のコメント。
叶うのであれば、もっと彼女の歌を聴いていたい。心の底からそう思えた。

終演後に実施されたアンケートでは、100%全てのユーザーが「ぜひ人に勧めたい」「また見に来たい」と回答したと『VARK』公式のプレスリリースにて発表。
いつまでも満足感に浸っていられる素晴らしいライブだった。

■VARKの今後に望むこと

ライブ自体は最高に満足できる内容であったが、筆者が感じた改善して欲しい部分について、少し書いておこうと思う。

まず1つ目は運営側も重々承知しているだろうが、電池の消費量だ。
約1時間という制限でライブはMCを含めたら若干短さを感じる。
その分迫力の演出を味わえるのでこのままでも文句はないのだが、ライブが長く観られるに越したことはない。

2つ目は、スクリーンショット機能
「Oculus Go」本体にデフォルトで写真機能はついているが、『VARK』側の設定なのかライブの写真を撮影することが出来なかった。
もちろんチケット購入者だけのプレミア感が出ていいとは思うが、VRライブの素晴らしさをもっと知ってもらう為にTwitterなどへのシェア機能というのは付けても決して損にはならないと思う。
画像や映像で見るのとVRで見るのでは全く違うのだから、ちょっとでもVRを知らない人に興味を持ってもらう為に是非追加してもらいたい。

3つ目はメニュー表示について
これは完全に筆者の我儘なのだが、メニューは縦よりも横向きの方がライブを見ながらでも触れるので検討をお願いしたい。ライブを見ながらだと若干目線を下げなければいけないのでちょっと気になった。
あと、UI非表示の機能などもあると非常に嬉しい。

目線を下げなければメニューが見えない。

ここまでオタク特有の長文を晒してしまったが、他プラットフォームと差別化もされていて、独自の演出も素晴らしい『VARK』の今後のライブ展開が非常に楽しみだ。
ファンがガチ恋距離で最高のライブ体験を味わえる空間に、間違いなくVRライブの未来を見た。
次に開催されるライブにも是非参加したいと思う。

YuNiとVRライブのおかげで2018年、平成最後のクリスマスイブは最高のものとなった。
来年はもっとVTuberやVRにとって輝かしい年となるよう、筆者も常に最新の情報をお届けしていこうと思う。

この記事を読んで少しでもVRライブに興味を持っていただけたのであれば幸いだ。
ちなみに今回ライブの様子を画像で紹介したが、VRはこの数百倍は凄い。
VR機器を買って損することは絶対にないと、自信をもってオススメしたい。

さぁ、あなたもバーチャル空間で恋に落ちよう。

Text by zero

■イベント概要

「YuNi 1st VR LIVE! ~VeRy Merry X’mas~」
・出演:バーチャルシンガー「YuNi」
・日程:2018年12月24日(月)開場19:30/開演20:00
・会場:VRライブプラットフォーム『VARK』
・チケット価格:5,400円(540VARKコイン)

■セットリスト

1. 透明声彩
2. 星間飛行
3. エイリアンエイリアン
4. きよしこの夜
5. Winter Berry
(アンコール)
6. シャルル

■YuNi(ユニ)プロフィール

YuNiは、Activ8株式会社と株式会社Candeeが共同プロデュースする、世界一のバーチャルシンガーを目指すバーチャルYouTuber。
人気の動画は400万再生を超え、10/26に自身初のオリジナル楽曲である「透明声彩」を電撃配信。
Activ8株式会社が運営するバーチャルYouTuber活動の支援を行うプロジェクト「upd8」の初期タレントとしても参加。

公式サイトhttps://yuni.candee.co.jp
Twitter@yuni_vsinger
YouTubeチャンネルYuNiちゃんねる
イラストレーター:桜木蓮(@sakuragi_ren)

■VARKとは

VR専用ライブプラットフォームで、バーチャルアーティストのパフォーマンスをあたかも自分がコンサート会場にいるかのように体感できるサービスです。
バーチャルアーティストが「目の前に来て歌ってくれる」、「観客がアクションでライブを盛り上げることができる」など、現実のライブでは困難な多種多様な演出で「VRならではのライブ体験」を存分に味わえます。
ダウンロードは無料で、11月29日よりOculusストアにて提供開始されています。
本リリース配信時点は「Oculus Go」のみ対応ですが、「Oculus Quest」など、他のVRデバイスも順次対応予定です。

VARK公式サイト

VARK公式Twitter

製品概要

タイトル:VARK
配信開始日:2018年11月29日
価格:無料(アプリ内課金有り)
対応機種:Oculus Go
公式ホームページ:https://vark.co.jp/
コピーライト: c 2018 ActEvolve Inc.

■関連リンク

Activ8株式会社
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upd8
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株式会社Candee
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株式会社ActEvolve
http://www.actevolve.com/