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バーチャルシンガーYuNi、VRライブ『さよなら平成カウントダウンライブ UNiON WAVE – clear -』で語った新時代への展望

Candee株式会社とActiv8株式会社が共同プロデュースをおこなうバーチャルシンガー「YuNi」は、4月24日(水)の自身初のアルバムリリースを記念し、2019年4月30日(火)から5月1日(水)にかけてVR音楽ライブ『さよなら平成カウントダウンライブ UNiON WAVE – clear –』をクラスター株式会社のバーチャルイベントプラットフォーム「cluster」にて開催した。

ライブには「天神子兎音」「樋口楓」「かしこまり」「ときのそら」ら豪華ゲストも出演し、”平成の終わり”と”令和の始まり”の瞬間をバーチャル空間で迎えるというまさしく新時代のライブイベント。チケットは2回追加販売が行われ、開演前から大きな注目を集めていた。

そんな記念すべきライブイベントに参加してきたので、その様子をレポートしていこうと思う。

■豪華ゲストたちによる夢のコラボレーション

開演前の会場の様子

今回の会場は一見大きなスクリーンと客席のみのシンプルなものに見えたが、開演時刻になると巨大なスピーカーと4つのスクリーンが出現し、ド派手なライブステージへと早変わり。
同時に主演の「YuNi」と、ゲストの「天神子兎音」が登場し、天神子兎音のオリジナル楽曲『フーアーユーなんて言わないで』を披露。


以前にコラボ歌ってみた動画を出しただけあり、2人の息はぴったり。
ただ「YuNi」曰く2番の入り方のタイミングが難しかったらしく、2人で何度も練習したらしい。
お互いを呼び捨てで呼び合う程の仲の良さも見られ、お化けが怖くないと豪語する「天神子兎音」がしきりにお化け屋敷に誘ってくると、ゆにチル(YuNiのファンの名称)に対して軽口を叩くシーンも見られた。てぇてぇ

「YuNi」から次のゲストのヒントを求められると、「関西圏の人」「(自分と)話が合う」「めちゃくちゃ顔が良い」と答えた。
ステージに登場したのは「樋口楓」。そしてオリジナル楽曲『MapleDancer』を披露した。

『MapleDancer』はファンメイドのオリジナル楽曲。『樋口楓1stライブ “KANA-DERO”』でも披露され、YouTubeでは5月1日現在65万回以上も再生されている。
曲の最後には2人で手拍子をし、会場のファンも手拍子アクションで合わせてバーチャルとは思えないほどの一体感が見られた。

こちらも以前『バレンタイン・キッス』の歌ってみた動画で共演しているが、2人っきりのステージは今回が初。
最初は2人とも人見知りをしてなかなか話せなかったが、「YuNi」的に距離を縮めようと練習の休憩の度に”チーズおかき”をあげるなど、ほんわかとしたエピソードが語られた。本番当日もマンゴーの果汁グミを2人で仲良く食べていたそうだ。

また、お互い”銀髪”であることから「姉妹みたい」と言われたらしく、どちらがお姉ちゃんっぽいのかを観客の拍手の数で競い合う場面も。
背の高さや顔立ちから姉勝負は「でろーん」に軍配が上がったが、練習の時に解いた長い髪を「YuNi」にわざと絡ませて遊ぶなど、年下らしい一面があることを暴露。
ちなみに「でろーん」の身長は167cm、「YuNi」は154cmで10cmのヒールを履いているそうだ。どちらが姉でも筆者的にはありありのありだ。

そんな「でろーん」からの次のゲストのヒントは、「黄色い人」「ひまわりっぽい子」「お酒が大好き」。
登場したのはもちろん、「ちゃんまり」こと「かしこまり」。
2019年2月15日にリリースされた「かしこまり」のオリジナル曲『ルーティン』を「YuNi」とともにデュエットした。

2人の綺麗な歌声が重なり合ってステージに響き渡り、まるで温かさを感じるような幻想的な雰囲気に会場が包まれていた。
曲が終わると「YuNi」は、「2人でルーティンを歌うのが夢だった。」と、この曲が本当に好きという素直な気持ちを打ち明けた。

また、2人ともお酒が好きなことから、”酒樽”を背負ってライブしようと計画していたとか。もっとも許可は下りなかったようだが。
さらに、”令和になったらやってみたいこと”の質問では、「YuNi」は”ラップをやってみたい”と新しい事への挑戦を熱く語った。
一方「かしこまり」は”ダイエット”と、現実的な目標を掲げ会場に笑いを誘った。

そして4人目のゲスト「ときのそら」が登場し、メジャーデビューアルバムにも収録されている『Dream☆Story』を2人で楽しそうに熱唱。
歌詞の”ときのそらだよ”の部分が”そらとYuNiだよ”になり、振り付けをしながら歌う2人が最高に可愛いかった。

この2人は絡みがないように見えるが、実は一緒にご飯に行く位に仲が良いらしい。
曲を歌い終えると、「やっと一緒に歌えた」とお互い嬉しそうにはしゃぐ姿がとても尊かった。
「YuNi」はデビュー初期に「ときのそら」から”いつか一緒のステージに立とうね”と言われ、この歴史的瞬間の日に一緒にライブが出来る事を”ヤバイ”と心から喜んでいた。

そして、まもなく平成が終わるというところで全員がステージに登場。

「平成から令和に変わる”ヤバイ”瞬間を5人でライブしてるってヤバイ。」とテンションが上がり過ぎて語彙力をなくすYuNi。
本番前の楽屋で、全員でトランプをして遊んでいた話をしていると、まもなくその瞬間が訪れた。

10秒前からカウントダウンが始まり、5月1日・新元号「令和」になった瞬間にVギフトによる花火などがステージ上の咲き乱れた。

令和になる瞬間

みんなが新時代の幕開けを祝う中、一人ステージの上を走り回る「YuNi」。

あ、ヤベ。

と一言残し、ステージから突然フェードアウト。
トラブルかと思いきや、4人からYuNiの単独ステージがこれから始まることをお知らせされた。

■新時代の幕開けを告げる透明な歌声

新元号「令和」となり、まばゆい光に包まれてステージに現れた「YuNi」が歌い始めたのは、劇場オリジナルアニメ「LAIDBACKERS-レイドバッカーズ-」の挿入歌である楽曲『Destination』。
本楽曲は4月3日(水)に発売の劇場オリジナルアニメ『LAIDBACKERS-レイドバッカーズ-』キャラクターソングコレクションに収録されており、作曲は「kz」氏が担当している。

関連記事バーチャルシンガー「YuNi」の新曲『Destination』が劇場アニメ『LAIDBACKERS-レイドバッカーズ-』の挿入歌として決定!

ステージも先程とはまったく違うあたり一面”真っ白な空間”へと変化。
疾走感ある曲と空間を切り裂くようによく通る「YuNi」の歌声で、本当に””を感じているようだった。

続けて「YuNi」は新衣装に着替え、オリジナル曲第3弾『花は幻』を披露。
花が散っていく中に人生の儚さ、虚しさ、寂しさ、美しさといった一種の”死生観”が込められた本楽曲のステージは、その世界観を恐ろしいまでに表現されたもので思わず鳥肌がたつほど。
透明な歌声と心地よい高音で「YuNi」に釘付けになっていると、どこからか”花びら”が舞い始めてまるでMVの中に入り込んだような気分になり、あまりの美しさに涙腺が緩んだ。

ちなみに今回観客のアバターは”10面体”のオブジェクトのようなものになっており、観客自体がまるで演出の一部のようにライブを盛り上げていた。

2曲続けて歌い終わると、ここで改めて挨拶を行った。
令和初のライブで普段よりもテンションが高めな「YuNi」は、”絶対忘れられない日にしてやるからなー!”と意気揚々と宣言。
しかし次の瞬間、”カッコイイこと言ってみたかった”と、いつも通りのゆるーい感じのトークを開始。このギャップも彼女の魅力の一つだ。

1曲目に歌った『Destination』についての裏話で、実は映画にも本人役で出演していたことを発表。
ただそのままの「YuNi」の姿で出演した為、1人だけ絵柄が浮いていたことも語っていた。
「レイドバッカーズ」は現在期間延長で5月9日(木)まで一部劇場にて上映中。お時間ある方は是非観に行ってみてはいかがだろうか。
詳しくは公式Twitterを確認してほしい。

「LAIDBACKERS-レイドバッカーズ-」公式Twitter

続いて、リリースされたばかりのアルバム「clear」から新曲『ジレンマ』をライブ初披露。
こちらは「YuNi」初のバラード曲で、切ない感情がこれでもかと歌に込められ、聴いているだけで思わず涙が溢れ出てしまいそう。
ステージの真ん中で座りながら歌う「YuNi」の周りを家具が飛び回り、サビではメリーゴーランドが出現して独特の世界観に魅入られた。

次に流れ始めたのは、「YuNi」の2ndオリジナル楽曲『Winter Berry』。
雪が降る街並みをバックに可愛い振り付けをしながら歌う「YuNi」の姿。正直永遠に見ていられる。
透明声彩』もそうだが、「YUC’e」と「YuNi」のコンビは最強だとつくづく思う。

ここで、1stアルバム『clear/CoLoR』の宣伝。
昨年の6月にデビューして、当初は機材の使い方を覚えながら2日に1本のペースで歌ってみた動画を制作していたことをしみじみと語る「YuNi」。
デビューから10か月半たった現在、ようやくひとつの目標であったアルバムを制作できたことに対して、ファンに感謝を伝えるとともに、”これからも応援してよかったと思えるように頑張る”、”飛躍と恩返しの令和にしていきたい”という今度の展望を語った。

次に流れ始めたのは、こちらもライブ初お披露目のアルバム収録曲『Write My Voice』。
「kz」氏が作詞作曲編曲を手がける本楽曲は、「YuNi」曰く『透明声彩』の続編のような曲になっているとのこと。
これまでバーチャルシンガーとして活動してきた経験や、いろんな人の協力によって、より前向きに成長した「YuNi」の姿が描かれている。

そして”最後の曲”といって始まったのは、「ヒゲドライバー」氏が作詞作曲を手がけたアルバム収録曲『ウタオウヨ、ウタオウヨ』。
ステージの中心部が宙に浮き、空中を自由自在に飛び回りながらノリノリで歌う「YuNi」の姿に観客たちのサイリウムを振る速度もどんどん早くなっていった。

決して現実では不可能なバーチャルならではの演出、これぞ”令和”に相応しい新時代のライブイベントだ。
今日見たライブは決して生涯忘れることはないだろう。

歌い終わった後、「皆今日は本当にありがとうー!」とステージを後にした「YuNi」。

ゲスト4人との共演にアルバム曲の披露と、大満足の内容ではあったのだが、”あの曲”がなかったのが悔やまれる。
そんなことを思っていると、暗闇の中に一筋の光が出現し、だんだんと輝きが増してこちらに迫ってきた。
そう、「YuNi」のライブはまだ終わっていない。

再び視界が開けると、そこには再び「YuNi」の姿と”あの曲”のMVを思わせるステージが出現。
そしてアンコール曲『透明声彩』がスタート。

今回は泣くまいと筆者は心に決めていたが、やはりこの曲を聴くと涙腺がゆるゆるになってしまう。
透明な歌声が会場全体に響き渡り、先の見えない未来へと前を向いて進んでいくという歌詞が”YuNiそのもの”過ぎてたまらん気持ちになる。
もう演出のひとつひとつもズルすぎるのだ。

最後に、”新しい元号になった今、YuNiはもっと大きい舞台に、もっと近づける存在になるのでこれからも付いてきてね。”と、これからも更なる夢に向かって頑張っていく事を伝え、空へと消えていった。

こうして平成と令和を跨いで行われたカウントダウンライブは大盛況のうちに幕を閉じた。
アルバムリリースやライブイベントを経て、どんどん成長していく「YuNi」からまだまだ目が離せそうにない。
今後も自称世界初のバーチャルシンガーとしてより大きな世界に挑み続ける彼女を応援していこう。

Text by zero

■セットリスト

前半(平成)

1. フーアーユーなんて言わないで / 天神子兎音
2. MapleDancer / 樋口楓
3. ルーティン / かしこまり
4. Dream☆Story / ときのそら

後半(令和)

5. Destination / YuNi
6. 花は幻 / YuNi
7. ジレンマ / YuNi
8. Winter Berry / YuNi
9. Write My Voice / YuNi
10. ウタオウヨ、ウタオウヨ / YuNi
11. 透明声彩 / YuNi(アンコール)

■ライブイベント概要

さよなら平成カウントダウンライブ UNiON WAVE – clear –
日 時:2019年4月30日(火)開場 22:30 / 開演 23:00
会 場:cluster ・ YouTube
ゲスト:かしこまり、天神子兎音、ときのそら、樋口楓

イベントページ

■YuNi(ユニ)プロフィール

“(自称)世界初のバーチャルシンガー“として、2018年6月にYouTubeで活動開始。歌ってみた動画が特徴で、同年10月にはプライベートレーベルyunion.waveを発足し、オリジナルソング「透明声彩」をリリース。iTunesランキング 総合3位 , エレクトロニック部門1位を記録した。

2019年4月にリリースしたアルバム「clear / CoLoR」は、iTunesランキング 総合4・5位、エレクトロニック部門1・2位、オリコンデイリーランキング8位など、数多くの音楽配信サービスで上位にランクインした。 トークや前口上ではなく、歌に真摯に向き合った活動を続け、昭和の歌謡曲、アニソン、ボカロ、洋楽など、幅広いジャンルの楽曲を透明感のある歌声で表現し、バーチャルシンガーの先駆者として業界を牽引している。

公式サイト: https://yunionwave.com/
イラストレーター:桜木蓮(@sakuragi_ren)

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■ゲスト出演者

ときのそら

2017年9月から活動開始。2019年3月27日にビクターエンタテインメントからフルCDアルバム『Dreaming!』でメジャーデビュー、2019年4月19日からテレビ東京にてTVドラマ『四月一日さん家の』出演を予定している。歌とピアノとホラーゲームが大好きで、歌ってみた動画や本人は全く驚かないホラーゲーム実況動画が人気。夢は1人前のアイドルになって横浜アリーナでライブをすること。そのために色んなことに日々チャレンジしている。

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樋口楓

高校二年生。長身でスタイル抜群。劇団に所属している。本人は、劇の役にハマるために学校でも役っぽく振舞っていたが、素の自分に戻しづらくなった。「カッコいい」より「かわいい」と言われると照れる。

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かしこまり

楽しいことが大好き「ちゃんまり」こと「かしこまり」!
歌とお酒が大好きで、飲み生放送ではみんなのお悩みを解決!!
だけど、ホラーゲームでは絶叫しちゃう乙女な一面も持ち合わせるほろ酔い歌姫。

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天神子兎音

エンターテイメントを通じて信仰を集めるためにYouTubeで動画投稿を始めた京都在住の神様。500歳。オリジナル曲『フーアーユーなんて言わないで』のMVは100万再生を突破。2019年3月より千代田区観光協会のアンバサダーを勤めるなど、活躍の幅を拡大中。ポンコツ信者(ファン)からの愛称は「子兎音様」「噛み様」。

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■関連リンク

Activ8株式会社
https://activ8.co.jp/
株式会社Candee
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