鈴木ソフトラボラトリー合同会社は、小学生向けプログラミング教室の開講に伴い、離れた場所から視聴・指導できるサービス『VTeacher(ブイティーチャー)』を導入することを発表。学習内容は文部科学省が公開している指導方針に対応し、2020年春に開講を予定しています。
完全なリモートとなり(在宅、テレワーク)、生徒・講師は場所を選ばずに学習することができます。また、VTuberのようにリアルタイムトラッキングができるアバターも用意されているとのことです。
以下プレスリリースより引用。
目次
■本格的なVTuber系プログラミング教室
鈴木ソフトラボラトリーは通塾型のプログラミング教室を3月から開講する。今回、それとは別にフルリモート型のプログラミング教室も開講する。遠方など諸事情により通いづらい、インフルエンザなどの感染症予防をしたい等のニーズに答える。フルリモート型では鈴木ソフトラボラトリーのVTeacherプラットフォームを利用する。VTeacherはバーチャルティーチャーの意味で、インターネットを利用した他の者との音声又は視覚による通信を行うサービスである。会社は2018年からこのサービスに取り組んでおり、類似サービスとしてドラレコによる高齢者向け運転遠隔指導サービスがある。
ライブ授業とオンライン家庭教師を組み合わせた形。教室にはメインの講師が一人。自宅にいる生徒たちはパソコンで授業を見る。プログラミング実習は個別指導の時間が多く取られるため、遠隔にいるサポート講師が指導する。その際、生徒のパソコン画面は共有される。スクリーンショットは機械学習用にサーバーにも送信される(収集したデータからMLMODELファイルを作成。将来的にはAIチャットボットによるサポートも加える予定)。ライブ配信はVTeacherプラットフォーム、個別指導はZoomやSkypeを利用する。サポート講師はエンジニア(現・元)の副業としての参加を見込む。
■プログラミング教室の実施要項
・毎週土曜日
・講師、生徒ともに原則フルリモート(在宅、テレワーク)
・月謝:2,980円から(生徒専属の講師を依頼する場合は、その講師に謝礼金)
・2020年春開講予定
カリキュラム
・小学校プログラミング教育の概要
・授業の進め方2. プログラミング初級編
・ブロック型ビジュアルプログラミングの基本操作(主にScratch)
・制御文(分岐、繰り返し、演算、変数、関数など)3. プログラミング中級編
・概要:文部科学省「小学校プログラミング教育に関する研修教材」に沿って行います。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1416408.htm
・Scratch 正多角形をプログラムを使ってかく
【A分類(学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの)】
「正方形をかく」
・Scratch ねこから逃げるプログラムを作る
【C分類(教育課程内で各教科等とは別に実施するもの)】
「ねこ・ねずみを動かす」
「背景を変える、動きを止める」
・Viscuit たまごが割れたらひよこが出てくるプログラムを作る
【C分類(教育課程内で各教科等とは別に実施するもの)】
「たまごが割れたらひよこが出てくるプログラムを作る」
4. プログラミング上級編
・概要:文部科学省の「小学校プログラミング教育に関する指導案集」に沿って行います。
下記の指導案集の中から一つを選択します。※あくまで指導案のため、学習指導要領に従って弊社が課題を作成します。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1421730.htm
(01) プログラミングの基礎を学んで、地域の課題を解決するアプリケーションをデザインしよう
(02) プログラミングを生かしてよりよい生活に
(03) AI とプログラミングで、身近な課題を解決しよう
(04) 地域の魅力を発信しよう!
(05) 私たちの生活を豊かにする未来の宅配便
(06) みんなの家!未来の家!
(07) 地域の魅力を伝えよう!私たちの街大好きプロジェクト!
(08) 地域の魅力発信アプリを開発して、商店街を盛り上げよう!
(09) 私たちの生活と、自動車の未来を考えよう
(10) 私たちの生活を支える郵便局の仕事
(11) スポーツとデータ分析。地域スポーツチームを応援しよう
(12) 自動化の進展とそれに伴う自分たちの生活の変化を考えよう
(13) 私たちの生活を豊かにする未来の宅配便
(14) 見つけよう 伝えよう わたしたちのまちの魅力
(15) 地域活性化のために、新しい表現方法で町を紹介しよう
(16) 自由テーマ
■VTuberのようなリアルタイムトラッキングができるアバター
簡易的なつくりだが、VTuberのようになれる機能もある。端末に負担がかからないよう、最低限の顔検出のみ。それでも「まばたき」・「笑顔」・「口の開閉」・「頭の傾き」はリアルタイムトラッキングができるので、VTuberらしくなる。アバターは2Dモデルのみ対応。パーツごとに好きな画像をアップロードできる(動画のイラストは鈴木さんが描いたもの)。らくがきツールがあるので、フリーハンドでもアバターを作成できる。
1タップでアバターが表示。Macに繋げば、すぐにクロマキー合成モードにできる。エンジニアが使い慣れている「Zoom」や「Skype」にも導入しやすい。
ボイスチェンジャーを併用すれば、ついつい厳しい口調になってしまう人も安心。たしかに子供ウケが良さそうだ。
■テーマは「コンピュータを理解して、上手に活用していく力」
文部科学省の小学校プログラミング教育の手引にはこのように書かれている。
コンピュータを理解し上手に活用していく力を身に付けることは、あらゆる活動においてコンピュータ等を活用することが求められるこれからの社会を生きていく子供たちにとって、将来どのような職業に就くとしても、極めて重要なこととなっています。
(引用元: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1375607.htm )
教室長を務める鈴木聡美さんが、このテーマについて語ってくれた。フルリモート授業やアバター先生は、鈴木さんたちが考えたコンピュータの活用方法だ。彼女は大学時代、情報系学科に進学するも、とても苦労した経験を持つ。高い壁を乗り越えるには、がむしゃらに頑張るだけでは足りず、柔軟な思考が不可欠であると言う。
「子供の頃にMSXでBasicのコードを写経していましたが(笑)、大学の授業についていくのは大変でした。コンピュータの理解と活用方法は、受験勉強とは異なる知識が必要です。昔は『独学』で行なっていたことを、このプログラミング教室で伝えていきたいと思っています。小学校プログラミング教育の必修化には期待しています」
■ITエンジニア・プログラマーは憧れの存在
将来なりたい職業にITエンジニア・プログラマーがランクイン。最近では珍しくない結果だ。鈴木さんはリアルタイムのコミュニケーションを重視している。そのため、エンジニアが参加しやすい土曜日に授業を行う。このプログラミング教室を通して、子供たちは価値のある経験ができる。本物のITエンジニア・プログラマーと直接話せる機会は少ないからだ。「できるだけ多くのエンジニアを集めたい」と鈴木さん。
申し込みは、下記のページから受け付けている。
【講師用】現役エンジニア・元エンジニアの講師募集!(事前登録フォーム)
※鈴木さんは元サイバーエージェントのエンジニア。通塾型のプログラミング教室(2020年3月開講)では、サイバーエージェントグループのプログラミング教材を採択している。