”曲と一緒に成長していきたい。”リアルライブ『UNiON WAVE– 花は幻 –』で見たバーチャルシンガーYuNiの原点







リアルとバーチャルの融合で新たな体験を創造するバルス株式会社のxRエンターテイメント3Dスペース「SPWN(スポーン)」は、ローンチ後初となるイベント『UNiON WAVE – 花は幻 – Supported by SPWN』を2019年3月16日(土)池袋HUMAXシネマズにて開催。

本イベントは、ライブハウスをはじめとする全国の劇場や映画館、イベントスペースなどのあらゆるスペースをVTuberやバーチャルアーティストのステージに変える『SPWN(スポーン)』による公演。
専用のWEBアプリと連動することで、アーティストとファンが一緒になってライブを作りあげていくことができる。
また、今回の舞台である池袋HUMAXシネマズでは、映画館特有の5.1chサラウンドシステムによる立体的な音響で迫力のライブを楽しむ事ができる。

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出演者にはアイドルやアニソン、ボカロなど幅広いジャンルで数多の楽曲を手がける「ヒゲドライバー」、YuNiの初オリジナル楽曲『透明声彩』や『Winter Berry』の作詞作曲編曲を手がけたアーティスト「YUC’e」、そして圧倒的な歌唱力をもつ自称世界初のバーチャルシンガー「YuNi」が登場。

開催場所が映画館というこれまでにない、”リアルとバーチャルが交差する”新感覚のライブをその身で体験してきたので、イベントの様子をレポートしていこうと思う。

■映画館でDJという新感覚のステージ

開演時刻になると、YuNi本人による開演アナウンスが流れ始め、途中「乙女丸@otomemaru_kiyo)」が割り込んでくるというハプニング(?)で会場が笑いに包まれた。
そして「私からも見えてるぞ~?」と、客席のゆにチル(YuNiのファンの名称)たちに「今日自分が一番遠くから来たぞって人、手を挙げて。」と質問を投げかけた。
手を挙げた人の中にはなんとカリフォルニアから来たというゆにチルもおり、YuNiの人気の高さが伺えた。

そしてYuNiの紹介を受けステージに現れたのは「ヒゲドライバー」。
同氏が作曲を手がけたTVアニメ「少女終末旅行」のEDテーマ『More One Night』から始まると、先程まで普通の映画館だった会場が一気にクラブに早変わり。
映画館でやるのは初めて。」と言っていたが、こちらも映画館でDJを聴くのは初めてだ。
なんで映画館には大体ビールしかないのだろうか。無性に酒が欲しくなった。

アニメ「機巧少女は傷つかない」のEDテーマ『回レ!雪月花』では観客がタオルを振り回し、「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」の人気楽曲『あんきら!?狂騒曲』ではオールスタンディングでコールする観客らの様子に「ほんとにここ映画館?」と自分が今どこにいるのかわからなってしまう程に大盛り上がりのステージとなった。

■YuNi×YUC’eによるスペシャルトークショー

再びYuNiの声がスクリーンから聞こえてくると、その日初めて姿を現し「ゆにチルのみんなこんばんはー!!」と大きな声で挨拶を行った。

ゆにチルたちからの数多くのフラワースタンドを背景に、いつものようにのんびりとした喋り口でトークを開始。
そして次の出演者である「YUC’e」が登場すると、2人によるスペシャルトークセッションがスタートした。

YuNiのオリジナル曲『透明声彩』と『Winter Berry』の作詞作曲を手がけた「YUC’e」とは、この日が初対談。
記者による質問に対して2人が答える形でトークセッションは進行し、以下のようなやりとりが行われた。

「YUC’e」にとって「YuNi」の最初の印象は、女の子らしくて繊細、ガラス玉のような印象を受けた、とのこと。
話が来た際「YuNi」をみた瞬間に一目で決めたという。
YuNiちゃんは素敵だから。」だそうだ。
そう言うと2人はお互いを見ながら楽しそうに笑いあった。やだ、この2人かわいい///

初オリジナル曲『透明声彩』の話になると、「歌を聴いていたらふわっと落ちてきた」「YuNiの魅力が伝わるように作った」と制作秘話を語り、曲の由来については、”(YuNiの歌声は)透明だけど、その歌声には世界を変える力があると感じたので、それを全面的に出したかった。”と終始べた褒め。
それを聞いて嬉しそうな「YuNi」の姿もまた愛らしく、会場全体が”てぇてぇムード”に包まれていた。
一方「YuNi」は、”それまで自分らしい歌い方というものに悩んでいたけれど、『透明声彩』でそれが掴めた、導いてもらえた。”と語った。

オリジナル2曲目『Winter Berry』については、これまで「YUC’e」はBPM128~130の曲を作ったことがなかったものの、「YuNi」から”冬の可愛らしさを表現してほしい。”と言われ、それをイメージしたらサクサクっと書けてしまったとのこと。
また、「YuNi」は初めてこの曲を聴いた際、最初の時計の針の音やコロコロと転がる音を聞いて一瞬でファンタジーな情景を思い浮かべたそうだ。
どこが好きかと聞かれると、「YUC’eさんの曲はAメロから全部好き。」と、またもやお互いを褒めまくるムーブに溢れんばかりの尊さを感じた。

ちなみに、曲名を『Winter Berry』にしたところ、クリスマスに行われたYuNi 1stライブが”VR”だったので、歌詞の「Berry」が「VeRy」になっている部分があるという裏話を打ち明けた。みんなは気付いていただろうか?

最後に「YuNi」は、「YUC’e」からの熱いエールを送られながら、「素敵な曲たちと一緒に成長していきたい。」「みんなの期待に上回っていけるようなバーチャルシンガーになれるように頑張ります!」と今後の活動への意気込みを集まったファンたちに伝えた。

■”可愛い”が波のように押し寄せるエモーショナルなステージ

トークセッション終了後、続いて「YUC’e」のライブタイムに。
自身の楽曲である『バイバイ』や』『macaron moon』『Night Club Junkie』等、可愛くてポップな楽曲を披露し、一瞬にして会場をブチ上げた。
Kawaii future bass”と言っていいのかわからないが、ジャンルがわからなくても良い音楽というものは自然に体が動いてしまうものだ。お酒をください。

彼女のライブを目の前で見るのは初めてだったが、その可愛らしさとライブプレイの格好よさは見惚れてしまうほど。
観客たちも音楽に合わせて激しくサイリウムを振り、規則的に揺れる”それ”はまるでライブ演出の一部のように感じらた。

そして、先日発売されたVTuberコンピレーションアルバム「IMAGINATION vol.1」にも収録されている『Don’t say “lazy” / おめがシスターズ』が披露されると、客席からはさらに大きな歓声が上がった。彼女自身も大好きだというおめシスの歌声と、最高のカバーアレンジが合わさってもはや最強としか言いようがない。
最後には、”この曲がなかったら『透明声彩』や『Winter Berry』は書けなかった”という程、「YUC’e」にとって特別な楽曲『Summer Night Hiking』を披露。
「YUC’e」にノせられた観客たちが大合唱を行うというこのエモさ、まさに”夢心地”のような素晴らしいライブだった。

■透明な歌声が映画館に響き渡る

そして、待ちに待った「YuNi」のステージが始まった。
「YuNi」の語りからライブがスタートし、シャンシャンと鈴の音が鳴る中『Winter Berry』が流れ始めると別の衣装を着たYuNiがバックダンサーとして登場し、MVを思わせるダンスを披露。
筆者は一番前の席で聴いていたのだが、流石は5.1chサラウンドライブ。まるで音が頭上から降ってくるかのように一瞬にしてYuNi歌声に包み込まれた。

曲が終わると、「みんなー!お待たせしましたー!」と大きな声で改めて挨拶。
そして、「みなさんお気づきかもしれませんが、ここ、映画館なんですよ。」と、サラウンドシステムについて説明。
観客席の場所によって全然聴こえ方が違うということで、今聴こえている音は”自分だけの音”として楽しんでもらいたいと語った。

また、『Winter Berry』のダンスを本当は「TikTok」で流行らせたかったが、自分は「TikTok」をやっていない上にもうすぐ冬が終わるということで断念したことも話、会場の笑いを誘った。
そして、ゆにチルたちに「まだまだ声、出したりないよね?」と席を立たせ、みんなで盛り上がれる楽曲『太陽曰く燃えよカオス』を披露した。

「YuNi」の煽りで会場が一体となり、全員が本気で楽しむ様子に、バーチャルライブの未来を見た。
その熱量は「うー!にゃー!」という掛け声で会場の空気が震えるほど。
まさにここは、バーチャルとリアルが混じりあった”カオス”だった。

続けて、「YuNi」の歌ってみたの代名詞である『シャルル』を披露。
昨年12月に開催された1st VR LIVEでは、「この曲はライブでしか歌わない。」と宣言しており、筆者は今回これを聴けるのを非常に楽しみにしていた。

特に凝った装飾もなく、背景に歌詞が現れるシンプルな演出だったが、彼女の力強い歌声と楽曲の良さが相まって一気に世界観に引き込まれた。
ただそこで歌っているだけで絵になる本物のアーティスト、それがバーチャルシンガー「YuNi」なのだ。

後半に入ると、ライブのサブタイトルにもなっている3月11日にリリースされたばかりのオリジナル楽曲『花は幻』を披露。
これまでの2曲とは雰囲気がガラッっと変わった本楽曲は、彼女が昔から大ファンの「la la larks」が手掛けている。
雨の音から始まり、「YuNi」の美しい歌声が会場に響き渡る。

ライブでは初披露の振り付けも見られ、背景の実写の花と踊る「YuNi」の姿に視線が釘付けになった。
聴覚と視覚が完全に支配されている感覚、もはやVRとなんら変わりないほどの没入感を得ていた。凄すぎるぞ「SPWN」。

最後の曲を前に新衣装にチェンジを行うと、観客からは「可愛い!」と絶賛の嵐。
ライブでしか見ることができないこのレアな衣装で披露する楽曲はもちろん、「YuNi」の初めてのオリジナル楽曲であり、「YUC’e」との出会いの曲、『透明声彩』。
曲が流れ始めると、筆者がここまで我慢してきた涙腺が一瞬で決壊した。

こちらもMVと同じ演出だったものの、新しい衣装を着ていることで未来に向かって進んでいく「YuNi」の姿を思い浮かべ、もうボロ泣き。
”透”だけど”人の心を動かす力”があるその綺麗な歌声を、ずっと聴いていたいと心から思った。

全5曲を歌う終えると、最後に重大発表として「YuNi」初となるアルバム『clear / CoLoR』を4月24日(水)にリリースすることを発表。
「clear」に収録されるオリジナル楽曲6曲を担当するのは「YUC’e」「kz」「la la larks」、そして「ヒゲドライバー」。
また、「CoLoR」は歌ってみたで投稿した人気楽曲6曲を新録したカバー盤の豪華2枚組となっている。

さらに、アルバムリリースを記念して、4月30日(火)23時15分から5月1日(水)にかけて、VRライブ『さよなら平成カウントダウンライブUNiON WAVE – clear –』を「cluster(クラスター)」にて開催すると発表。

最後は出演者全員がステージに集まり、観客たちへ感謝の言葉を述べてイベントは幕を閉じた。

映画館でイベントという全く新しい体験であったが、最高の音響と大画面での迫力のライブは一度は見てみるべきだろう。
リアルとバーチャルの共演が今後当たり前になっていくであろう今だからこそ、「SPWN」の新たな挑戦に期待していきたいと思う。

次はお酒の種類を増やしておいてもらえると嬉しい。

Text by zero

■イベント概要

『UNiON WAVE – 花は幻 – Supported by SPWN』
開催日時:2019年3月16日(土)
OPEN / START 20:00
出演:YuNi / YUC’e / ヒゲドライバー
場所:SPWN@池袋HUMAXシネマズ

イベント詳細はこちら

■YuNi セットリスト

1.Winter Merry
2.太陽曰く燃えよカオス
3.シャルル
4.花は幻
5.透明声彩

■YuNi 1st ALBUM『clear / CoLoR』が4月24日にリリース!

タイトル:clear / CoLoR
リリース:2019年4月24日(水)
価格:【初回版】2CD+DVD 4,320円(税込)SNCL-00027~00029
【通常盤】2CD 3,240円(税込) SNCL-00030~00031
「clear」はkz、la la larks、ヒゲドライバー、YUC’eら豪華クリエイター陣がプロデュースした、オリジナル曲6曲を収録したオリジナル盤。「CoLoR」はこれまで歌ってみたで投稿した人気楽曲6曲を新録したカバー盤。初回盤にはMVが収録されたDVD付。
※iTunes Store等各種音楽配信サービスでも、各アルバムをそれぞれ展開予定。

■clusterにて『さよなら平成カウントダウンライブUNiON WAVE – clear –』も開催決定!

さよなら平成カウントダウンライブUNiON WAVE – clear –
日時:2019年4月30日(火)開場22:30 / 開演23:15
会場:cluster ・YouTube
価格:【cluster (VR)】6,800円(税込)
【YouTube】無料

イベント詳細ページ

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■YuNi(ユニ)プロフィール

(自称)世界初のバーチャルシンガー。
2018年6月14日、歌ってみた動画を中心にYouTubeで活動を開始し、2018年10月26日にはプライベートレーベルyunion.waveを発足。同時に、自身初のオリジナルソング「透明声彩」をリリースし、iTunes総合ランキング3位, エレクトロニック部門1位を記録した。昭和の歌謡曲、アニソン、ボカロ、洋楽など、幅広いジャンルを透明感のある歌声で表現するのが
特徴。

公式サイト: https://yuni.candee.co.jp
Twitter:@yuni_vsinger
YouTube:YuNi – virtual singer –
イラストレーター:桜木蓮(@sakuragi_ren)

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