VRライブプラットフォーム『VARK』の開発・運営を行う株式会社ActEvolveは、2019年4月6日(土)に『VARKカンファレンス』を実施。
『VARK』のこれまでと今後の展開について語るとともに、「朝ノ瑠璃」、「樋口楓」の音楽ライブ、「東雲めぐ」のVRミュージカルの開催を発表しました。
『VARK』は、仮想空間上に作られたステージでバーチャルタレントがライブイベントなどを開催できるVRライブプラットフォーム。
これまでバーチャルシンガー「YuNi」や、エイベックス所属のバーチャルアーティスト「奏天まひろ」などがライブイベントを実施し、そのVRならではの演出で大きな話題を集めてきました。
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そんな時代の最先端を行く『VARK』を手がけるActEvolveの代表・加藤さんと開発の石川さんにインタビューの機会を頂いたので、ZERO Project所属のVTuber「虹色ひらり」を連れ、カンファレンスでは語られなかった『VARK』の開発秘話や裏話などを聞きに行くことにした。決して、“あわよくば「虹色ひらり」を出演させてもらおう。”などと考えていたわけではない。
―――本日はお忙しい中インタビューの機会を頂き誠に有難う御座います。今回ZERO Project所属の「虹色ひらり」も連れてきました。どうぞよろしくお願い致します。
ひらり:よろしくお願いしまーす!
加藤・石川:宜しくお願いします。
―――まずはお互いに簡単な自己紹介をお願いします。
ひらり:はーい!ママ~、パパ~、お兄ちゃん、お姉ちゃん、赤ちゃん、ワンワン、ネコネコも!隣りのおじちゃん、宇宙人も!おかえりなさいませ!今日もお仕事ご苦労様!虹色ひらりだ、おー!!ってことで、ひらりは毎日20時にYouTubeに動画をアップしているVTuberなんですけど、みんなの世の中のストレスをお掃除するっていう名目のもと、ガチャガチャが好きでガチャガチャになりたくて活動しています。よろしくお願いしまーす!!
―――(珍しくひらりが緊張してるな…。)
加藤・石川:よ、よろしくお願いします。(引き気味)
加藤:(虹色ひらりより)パンチ効いた自己紹介はないんですけど、ActEvolve代表の加藤と申します。宜しくお願いします。
石川:同じくActEvolveディレクターをしております石川と申します。宜しくお願い致します。
―――宜しくお願いします。僕は以前「VARK」で開催された「YuNi 1st VR LIVE」と「奏天まひろ 1st VR LIVE」に参加させていただきましたが、演出が本当に凄すぎて「Oculus Go」の中が涙でぐちゃぐちゃになる程に感動しました。本日インタビュー出来る事を楽しみにしていました。ありがとうございます。(オタク特有の早口)
加藤:こちらこそいつも”熱い”記事を書いていただき有難う御座います。いつも読んでます(笑)
―――ありがとうございます!!それではインタビューを開始していきたいと思います。まずはカンファレンスのおさらいとして、「VARK」の開発コンセプトを教えて頂いても宜しいでしょうか?
加藤:はい。「VARK」の開発コンセプトは、バーチャルのタレントさんだったり、バーチャルの存在というのがこの世の中に増えてくるであろうと思っていた時に、この人たちの目標となるような舞台を作りたいな、と思って出来たライブプラットフォームになります。
―――なるほど、こちらの最初の端末として「Oculus Go」を選んだ理由、また、「Oculus Quest」への対応を決定した理由というのは何でしょうか?
加藤:まず第一に、”とても手軽”であるなと思ったところ。VR、バーチャルという文化が凄い面白いなと思ったところで、もっと多くの人に使って欲しいなと感じました。その時既に「HTC VIVE」や「Oculus Rift」などのハイエンドVR機器もありましたけど、「高いな!」と。PCを合わせたら30万近くなってしまうし、そうなると一部の人しか買うことができない。そう思っていた矢先に出てきたのが「Oculus Go」。2万5千円くらいでVRが好きな人だけではなく、今までVR機器が買いたかったけど買えなかった人、学生や若い子が買えて広がるようなデバイスだと思った。なので、スタンドアロンである「Oculus Go」、そしてその後継機である「Oculus Quest」を選びました。
―――スタンドアロン型を選んだ理由はわかりました。ちなみに「VIVE」や「PSVR」への対応はいつ頃になるんでしょうか?
加藤:未定でございます。まずはQuestに対応してからになります。
―――楽しみにしてます!その他開発中に技術面で苦労したエピソードなどありますか?
石川:やはり「Oculus Go」は描画面があまり強くない部分があって、最初は20fpsとかでドットの塊がなんか動いてる位から始まったんですけど、そこでグラフィックに強いエンジニアの方に入ってきてもらってゴリゴリ最適化してもらって、今に至るって感じです。最初の状態を見た時には本当にこれでライブが出来るんだろうかと思いました。今思えば本当に苦労してきたなって思います。
―――かなり苦労した上で「VARK」は成り立ってるんですね。続いて機能面についてですが、カンファレンスにて今後の追加機能などもお話になっておられましたが、例えばボイスチャットのような出演者と観客が双方コミュニケーション取れるようなものは考えているんでしょうか?
石川:そうですね、考えています。ただし、ボイスチャットに関してはライブ中に出演者と観客全員が喋っている、みたいな形にはならないかなと。たとえば、ライブとは別途イベントCDのお渡し会のような出演者とユーザーが1対1で順番に喋っていくようなものを考えています。
―――閲覧席(視聴可能な位置)の数などは増えたりはするんでしょうか?
石川:そちらに関しては今はあまり考えていません。自由移動などの声もいただいているのですが、実際のライブでも自由移動はほとんどせずに決まった位置から完成されたものを見て楽しむというのが大きいので、自由移動はいらないんじゃないかと今の所は考えています。
―――ふむふむ、あと席の移動方法についてですが、現状位置をポインタで選択して移動する形になっていますが、これもっとスムーズになったりしませんかね?(我儘)
石川:そうですね、あれのUXというかやりかたもわかりにくいかと思っていて、よりわかりやすいように、簡単に移動できるように改善対応中です。
―――やったー!あっ、あと複数の出演者が可能になった場合なんですが、サイリウムの色の変更や両手持ちなんかもあったら嬉しいです。
石川:もちろん演者さんをダイレクトに応援するツールなので、対応したいと考えています。両手持ちじゃなくて、片手にサイリウムを山ほど持つ“バルログ持ち”なんかも出来ればなぁとすごい考えています。やっぱりユーザーさんとしては絶対にやりたいと思うので真っ先に実装したいなと思ってます。
―――オタ芸なんかも出来たら面白くないですか?
石川:なるほど、考えます!(笑)
―――ありがとうございます!続いてイベント会場についてですが、一般ユーザーへの開放は考えているんでしょうか?
石川:長期的に見てですが、考えています。一般の人でも簡単にライブを開催できる仕組みを整えてから一般開放しようと考えています。
―――なるほど、それまでは企業側がサポートをしていく形なんですね。では、カンファレンスでは挙がらなかった部分で、今後実装していきたい機能などあるようでしたら教えてください。
石川:実装してみたい機能ですか、具体的には思い付いてないんですが、やっぱりユーザーが演者にダイレクトに応援を伝えられるようなものをどんどん付けていきたいなと思っています。「気持ちがお互いに伝わる」というところを大事にしたものを作っていきたいと思います。
―――とても良いと思います!続いて今後のイベントについてなんですが、今回のカンファレンスにて「朝ノ瑠璃」さん、「樋口楓」さん、「東雲めぐ」さんの出演が発表されましたが、この3名を選んだ理由などあったりするんでしょうか?
加藤:マジレスしていいですか?
――― ?!
加藤:「VARK」の方針として、ファンが多い少ないとかで選んではいなくて、何を見ているかと言うと、演者さんとかプロデューサーさん、担当の方とかが、真摯にこのバーチャルタレントの文化を作るんだと想いの強いところからお声掛けをさせていただいております。まさに「朝ノ瑠璃」さんとか、とても“熱い”ですよね。みんなを盛り上げようって感じで。「東雲めぐ」さんのプロデューサーの方も“めぐちゃんで表現したいことがいっぱいある“みたいな。「樋口楓」さんもリアルイベントとかを行っていて”一般層にバーチャルタレントを広めていくんだ“と気持ちの強い方。と、選んでいるというよりは、そうゆう人たちと自然と惹かれあっているというか、“フィット”していく、に近いかなぁと今思っています。
―――なるほどー。今回「東雲めぐ」ちゃん主演のVRミュージカルというで、これまでのイベントとは違う形になると思うんですけど、“主演”ということは“他の出演者”の方も出るということですか?
加藤:そうですね。基本的に「めぐ」さんと劇の登場人物との掛け合いだったりストーリーだったりとかが展開されていくんですけど、モロに2人出て喋るような感じではなくて、歌劇というか簡単なお喋りになるかなとは思っています。人間として2人が出るというよりはめぐさんがメインで、相手方は簡単なパネルで出るといったような感じで、やはりめぐさんが主役で一番立つっていうところをメインでやっていくような内容になるかなと思っております。
―――他のVTuberさんが出る可能性も~?
加藤:なくはないです。(笑)それはちょっとお楽しみにしていただけると。
―――ミュージカルに関してはバーチャルでやることによって現実では出来ない表現が可能だと思うのでとても楽しみにしています!
加藤:ありがとうございます。
―――それでは虹色ひらりからもいくつか質問をさせてもらいます。
ひらり:まず最初に、ライブにパーン!ファッ!(謎の擬音)って現れる「瞬間移動」ってどうやってるんですか???
石川:瞬間移動というのは、例えばライブで「YuNi」さんが「エイリアンエイリアン」の時にやったみたいな、急に目の前にバッと現れるやつですか?
ひらり:そう、それです!
石川:あれは詳しくは企業秘密なんですが、実はあれ実際は瞬間移動していなくて、演者さんとユーザーさんの想いが通じ合った結果、目の前に来ているように見えるという状態になってるだけなんですよ。(笑)
ひらり:え!?実際には現れてないけど、我々が幻を見ているだけってことですか???
石川:そうです。(断言)思いが通じ合った結果、まるで目の前にいるように見えるんです。
ひらり:そうゆうことなんですね!
石川:そういうことです!
―――(どういうこと?)
ひらり:幻だったんですねー。思いが大事なんですね!わかりました!
―――(納得しちゃったよ。)
ひらり:じゃあ次の質問いきます!加藤さんがカンファレンスでも言っていた“新たな才能”ってどんな人のことを言ってるんですか?
加藤:これ言ってもいいのかわからないんですけど、例えば小学生だけどめちゃめちゃ歌がうまい人ってこの世にいっぱいいると思うんですよ。
ひらり:いっぱいいます!
加藤:ただ、親御さんの方針で出れなかったり、アイドルになれない人もいると思うんです。ただ、バーチャルだったら家の中で歌うだけでも活躍することが出来るじゃないですか。最たる例だと、足が不自由で簡単に移動できないけど、歌が歌える・面白い話が出来るとか。そんな形ですよね。
ひらり:世界が広がる気がしますね!次の質問、ひとつのステージを作るのにどのくらい時間がかかるんですか?
石川:ひとつのステージというと、ひとつのライブ全体でということですか?例えば「YuNi」さんでいうと6曲分ということになりますが。
ひらり:ひとつのライブです!
石川:そうですね、時間は結構かかりますね。演出も凝ったものにしようと思ってますし、それを考えると大体2カ月くらいですかね。
ひらり:ひとつのライブに2カ月!?それは大変ですね…!ちなみにもっと大きな会場とかも作れちゃったりするんですか?例えば海の中みたいな。
石川:もちろん実現できますよ。詳しくは教えられないんですけど、カンファレンスで発表した「東雲めぐ」さんのVRミュージカルに関しては似たようなものが味わえるんじゃないかな、と思っておりますので是非ご期待ください。
ひらり:楽しみです!次に、現実のライブ会場って“舞台裏”があると思うんですけど、VRのライブ会場の舞台裏ってどうなってるんですか?
加藤:めちゃめちゃ切り込んだ質問きた。(苦笑い)
―――そこ気になる?(困惑)
ひらり:だって気になったんだもん!
加藤:(暫く考えた後)…パスしてもいいですか?
―――大丈夫です。(笑) 次いきましょう!
ひらり:じゃあギフトの種類ってもっと増えていくんですか?
石川:もちろん増える予定ですね。出演してもらう演者さんに合ったものを今後どんどん増やしていって、ライブごとに変更するみたいなのをやっていきたいと思っています。例えば、今度出演される「朝ノ瑠璃」さんとかですと、ギフトのお花を“朝顔”に変えるとか。より世界観を表現できるギフティングを我々も検討していきたいと思っています。
ひらり:素敵だと思います!じゃあ次に、“楽器”とかのアイテムって持ち込んだりすることは出来ますか?
石川:それは演者さんがということですか?
ひらり:はい!
石川:それももちろん可能です。実は知る人ぞ知る「VARK」のプレライブというものがありまして、12月のYuNiさんがやる前にですね。「デラ」さんというVTuberさんに出演いただいてプレライブをやったんですが、「デラ」さんは「デラとハドウ」というコンビのVTuberさんでして、ただ以前カンファレンスで話した通り「VARK」は1人しか出られないというところもあり、じゃあ「ハドウ」さんの形見…じゃないですけど、“眼鏡”を持ちこませてほしいという話をいただいて、それで実は眼鏡の持ち込みをやってもらったんですよ。そういった感じで、トレードマークになるようなグッズだったり、ものだったりっていうのは、実はもう持ち込めるようになっています。
ひらり:そうだったんですね!ありがとうございます!それじゃあ最後に、もう2つだけ。ひらりは普段動画で“怪談”を読んでるんですけど、VRで怪談ライブとか出来たりしますか?
石川:めちゃめちゃ面白いと思います。是非やってください!
ひらり:わーい!聞きましたかZEROさん!ありがとうございます!!
―――今日一テンションが高い。
ひらり:その時に、舞台裏って“奈落の底”の言葉の語源になった“奈落”があるじゃないですか?そこの底でひらりは演りたいでの、奈落の底のステージを是非その時は宜しくお願いします!
石川:奈落の底って客席あるんですかね…。
ひらり:奈落の底に客席を巻き込みましょう!
―――(何の話だこれ?)
石川:わかりました、やりましょう!
―――でもあながちVRでホラーイベントはありですよね。雰囲気出そう。
加藤:VRだったら背後から声とか聴こえたり…。でも僕ホラーNGなんですよね。
ひらり:あんまりやっちゃうと心臓止まっちゃう人も出そうだから笑いとホラーみたいにしたいです!
加藤:なるほど、是非オファーさせてください。
ひらり:ありがとうございます!
―――ありがとうございます!それではそろそろお時間なので締めに移っていこうと思いますが、年内の「VARK」での目標などあったら最後に教えてください。
加藤:目標ですか、目標はVRの中に1万人、人を呼びたいですね。
―――1万人!?それは同時接続で1万人ということですか?
加藤:同時で1万人いきたいですね。ただ、それを開発が許してくれるかどうか…。
(苦笑いの石川さん)
――― (笑)。他にあったりしますか?
加藤:そうですね、僕の夢としては「VARK」に出たことで一躍有名になるようなVTuberさんが出てきてほしいと思っています。
―――才能を発掘するという意味でもですね。素晴らしいと思います。じゃあ最後に「VARK」のユーザーに向けて一言お願いします。
石川:では一言ずつ、自分は開発チームとして。開発チーム一同、演者さんの魅力を最大限に増幅させてもらって、お客様にも最高のものを楽しんでもらえるように一同頑張っていきますので、これからもどうぞ応援のほど宜しくお願い致します。
加藤:では私は会社目線で。やっぱりVRライブって日本がまず一番盛り上がってるかなと思っています、世界中どこをみても。このカルチャーを世界中に広めていけるようにがんばっていきますので、ユーザーのみなさま応援を宜しくお願い致します。
―――本日はありがとうございました!今後の「VARK」の展開も非常に楽しみにしています!
ひらり:いつかひらりも出れるように頑張るぞー!!
今回株式会社ActEvolveのお二人にお話しを伺うことができましたが、なんというか「バーチャル業界を盛り上げてやるぞ!」という意気込みや熱意が凄く感じられて、話しているうちにこちらもテンションが上がってしまいました。
バーチャル空間で驚きと感動を与えてくれる最新の技術の裏側には、開発の苦労と未来への挑戦が詰まっていたようです。
そんな『VARK』では、5月4日(土)に「朝ノ瑠璃」デビュー1周年記念VRライブとVRファンミーティングが開催されました。
ニコニコ生放送で行われたVRライブの同時配信は5月11日(土)23:59までタイムシフト視聴可能なので、興味がある方は是非チェックしてほしい。
次のライブイベントはどんな仕掛けでユーザーを驚かせてくれるのか、『VARK』のこれからに是非注目していただきたい。
Text by zero
■イベント情報
朝ノ瑠璃デビュー1周年記念VRライブ「瑠璃色艶舞」in VARK
&VRファンミーティング「朝ノ衆一揆」
開催日時:2019年5月4日(土)
開催場所:VRライブプラットフォーム「VARK」、ニコニコ生放送でも同時配信
「瑠璃色艶舞」は5月11日までニコニコ生放送にてタイムシフト視聴可能。
■製品概要
タイトル:VARK
配信開始日:2018年11月29日(木)
価格:無料(アプリ内課金有り)
対応機種:Oculus Go
Oculusストアページ:https://www.oculus.com/experiences/go/2335368893156482
公式ホームページ:https://vark.co.jp
VARK公式Twitter:https://twitter.com/VarkOfficial
c 2018 ActEvolve Inc.
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